アマプラで『白い春』というドラマを見た。ひとりで食事する間退屈なので、トップにあったものを適当にクリック。そして、後悔した。
このドラマは、2009年に放送されたものだ。安部寛扮する主人公が刑務所から出所し、我が子とは知らずに自分の娘と再会する、という話らしい。らしい、というのは最後まで見ていないからだ。おそらくもう見ることはない。1話の途中ですぐにテレビを消してしまった。
何せ、阿部寛がとにかくうるさい。気に入らないことがあったら暴れるし、大声を出すし、暴力をふるう。元ヤクザだか何だが知らないが、あまりにも情緒不安定すぎる。退屈だからつけたドラマで非常に嫌な気持ちになった。奇しくも無事刺激を得ることに成功し、退屈ではなくなっているが、こんなものは求めていない。
阿部寛の役どころは、所謂「オラオラ系」というのだろうか。あの類の人間が本当に苦手だ。しかし、一昔前まで何とも思っていなかった。何なら私は『修羅の国』こと福岡で生まれ育っているので、オラオラ系には強い馴染みがある。福岡は、発泡音がよく聞こえる、男尊女卑思想の強い街である。周囲の男は全員オラオラ系と言っても過言ではなかった(過言)。『白い春』は12年前の作品なので当時リアルタイムで視聴していたら、特に違和感もなく最後まで見られたのかもしれない。
時代が変わり、私の価値観が変わってしまったのだ。おそらく私だけでない多くの人がこのように変化していっている。ドラマだけに限らず、アニメやマンガなどでも同じような現象は起きる。
幼い頃に読んでいた少女漫画に出てくる男は、今になって読んでみると気軽に性犯罪を行うやべえやつが多い。「不器用」を盾に相手に気持ちを伝えなくても何とかなると思っていたり、女性をケア役としか思っていなかったり。幼少期あんなに胸がキュンキュンしていた物語を、今見たら「何こいつキッショ」と思ってしまう。昔は良しとされていたことが、許されなくなったのである。
昨年、コロナなんてものが流行したのも相まって、更に急速に価値観が変化していっている。コロナの存在はさておき、私はその変化が少し楽しみだったりする。
――――
今日のトップ画は保護猫の凪咲ちゃん。かわいい。