ワクチン長期副反応・コロナ後遺症

ワクチン長期副反応・コロナ後遺症の治療について

昨年の9月に新型コロナのワクチンを打って心筋炎を起こし、長期副反応ちょうきふくはんのう後遺症こういしょう)で寝たきりを余儀よぎなくされた。7ヶ月経過した現在、9割は寛解かんかい。無事に復職している。

自分的にはすでに出きった情報ばかりを試して寛解かんかいしたのだが、新しい話ゆえに万人には届きにくいらしい。ひとりでも多くの人に情報が届くよう、後遺症こういしょうに効いた治療を公開する。

なお、ワクチン長期副反応(ワクチン後遺症こういしょう)とコロナ後遺症は症状がかなり似通っているため、ここでは『後遺症こういしょう』と表記統一させていただく。

長くなるので、自分に関係のありそうな目次だけ読んでみるでいいと思う。体調のいいときに読んでみてほしい。

後遺症の症状とは?

我が家は親子で後遺症こういしょうになっている。わたしはモデルナ、息子はファイザーを打ったため、症状がかなり異なる。後遺症は、ワクチンの種類や感染したコロナの型、本人の体質などから、ひとり一人症状が違うらしい。

以下、わたしの症状一覧

・心筋炎(動悸・浮腫みむくみ・息切れなど)
・徐脈・頻脈・不整脈
・呼吸困難
胸痛きょうつう
・ゾワゾワ感
・抑うつ感(憂鬱ゆううつ
希死念慮きしねんりょ(死にたい気持ち)
・むずむず脚症候群あししょうこうぐん
慢性蕁麻疹まんせいじんましん
倦怠感けんたいかん
・ブレインフォグ(頭がぼーっとする・物事の理解ができない・頭がまわらない)
・めまい
・悪寒
・不眠
・手足の冷え
・首のこわばり
・情緒不安定(あらゆることに過敏になる)

以下、息子の症状一覧

倦怠感けんたいかん
・頭痛
・起き上がれないほどのだるさ
・下痢

検査で異常が出た病気『めまい・じんましん・心筋炎』

症状に対して診断がつくと、治療がすすみやすい。
検査結果に出たものは下記。思い当たる症状があれば受診してみてほしい。

・めまい→眼科にて、眼振検査がんしんけんさ眼振がんしんあり。Bスポット療法にて改善。
心筋炎しんきんえん動悸どうき・むくみ・息切れ)→内科にて、血液検査。BNP(心臓ホルモン)の数値上昇あり。薬物療法やくぶつりょうほうにて寛解。
蕁麻疹じんましん→皮膚科にて、症状が出た際に写真を撮って医師に見せる→診断がつく。治療方法については長くなるので後述こうじゅつする。

特に心筋炎しんきんえんに関しては大変危険なので、はやめに受診してほしい。思いあたる症状がある方は血液検査の項目に『BNP』を入れてもらうこと。かかりつけがない方は、心電図のある内科を探すといい。

検査に異状が出ない病気『慢性疲労症候群』

一方、息子の症状については検査をしても一切異常が出なかった。
検査で何も異常が出ないのに、だるい、倦怠感がある状態が6か月以上続く、という方は、『慢性疲労症候群まんせいひろうしょうこうぐん』の可能性がある。こちらは、「何の検査をしても異常がでない」ことが診断の基準となるようだ。

下記は、コロナ後遺症の第一人者といえる平畑先生のヒラハタクリニックのHPより。

筋痛性脳脊髄炎きんつうせいのうせきずいえん/慢性疲労症候群まんせいひろうしょうこうぐん(ME/CFS)は、少しの労作の後、極端な疲労感ひろうかんそのほかの症状をきたす疾患です。一番大切な大原則だいげんそくは、「だるくなることをしない」です。

「体力(筋力)のために」と思って運動すると、その後、急激に状態が悪くなる方がたくさんおられますので、疲労感ひろうかんを感じておられる方は、できるだけ家の中でだるくならない範囲でのみ動くように注意してください。
だるくならないようにしていただくだけで、症状の悪化を防ぐことができます。

https://www.hirahata-clinic.or.jp/covid19

また、倦怠感けんたいかんが強い方には、BCAAのサプリアミノバイタルがよく効く。飲むと動けるようになるらしいが、だからといって気軽に動いてはいけない。

わたしの息子は、学校の授業で体育に出たらクラッシュ(完全に起き上がれない状態)を起こしてしまった。1度クラッシュを起こすと6か月は安静にしたほうがいいと言われている。本人にもそのように伝え、休学中だ。体育は見学するようにと伝えたのだが、伝えきれていなかったことを非常に後悔している。思い当たる症状がある方は、本当に本当に動かないでほしい。

そんな慢性疲労症候群まんせいひろうしょうこうぐんの方に、無理してでもおこなうといいと言われているBスポット療法については、後述する。

なお、慢性疲労症候群の人ぱっと見元気そうに見えるが仮病や精神的なものが原因ではないとされている。精神に異常はないが、明らかな身体症状があるということを理解してほしい。

参考1:MSDマニュアル慢性疲労症候群(全身性労作不耐症;SEID;筋痛性脳脊髄炎; ME/CFS)
参考2:『ある日突然、慢性疲労症候群になりました。』

後遺症患者の多くは『慢性上咽頭炎』

なぜかわからないが、後遺症の人は慢性上咽頭炎まんせいじじょういんとうえんであることがほとんどだそうだ。慢性上咽頭炎まんせいじじょういんとうえんとは、文字のごとく、鼻の奥にある上咽頭じょういんとうが炎症を起こしている状態。これはわたしの体感だが、もともとアレルギー症状がある方が多い気がする(医療従事者ではない素人の感想)。

慢性上咽頭炎まんせいじじょういんとうえん』が原因で起きるといわれている症状は以下のとおり。

・むずむず脚症候群
・じんましん
倦怠感けんたいかん
・疲労感
・後鼻漏(鼻水が喉に垂れてくる)
・耳鳴り
・めまい
・月経異常
・ブレインフォグ
・不眠
・うつ
・顎関節症
・肩こり・首こり

最初にこの病気を知ったときは、あまりにも自身に思い当たることが多すぎて笑ってしまった。おそらくワクチン接種以前から慢性上咽頭炎まんせいじじょういんとうえんであったと思われる。

慢性上咽頭炎の治療方法

まず、慢性上咽頭炎まんせいじじょういんとうえんとは、慢性化してしまっているので治療にかなりの時間を要す。やることがたくさんあるので、無理のない程度に自分にあったものを選択してほしい。

慢性上咽頭炎まんせいじじょういんとうえんの治療に効果的と言われているもの。

・Bスポット療法(EAT療法)→必須項目ともいえる。詳細は後述


・朝晩2回の鼻うがい(サイナスリンスが痛くなく、コスパもいいのでおすすめ)

ミサトールリノローション→Bスポット療法がどうしてもしんどい!という方におすすめ。もちろんBスポット療法と併用もOK。耳鼻咽喉科で自由診療で処方してくれる場合も。

1日3回のBCAA→慢性疲労症候群と同じく、倦怠感けんたいかん・筋肉痛がある方におすすめのサプリ。

Bスポット療法(EAT療法)

Bスポット療法(EAT療法)とは、上咽頭の炎症が起きている部分に塩化亜鉛えんかあえんをつけた綿棒をこすりつけるという治療。耳鼻咽喉科でおこなう治療法だが、取り入れているクリニックが少ないので事前に調べていくとよい。下記のURLから検索できる。週に1~2回通わなければならないので、近所を探すのがおすすめ。
EAT 慢性上咽頭炎治療 医療機関一覧

Bスポット療法の注意点として、炎症がある場合、最初はかなり痛い。終わった後に鼻水とだるさが止まらなくなってビックリする。さらに、なぜか知らないが首筋も痛くなる。最初の3回くらいは通院後5時間は寝込んだ。炎症がひどい場合は、器具に血がべったりとつくので苦手な人は「血を見たくない」と事前に言うとよい。

ただ、治療がすすむと炎症がおさまり、ノーダメージになる。わたしは4回目くらいでめまいと倦怠感がおさまり、治療後すぐに動けるようになった。

参考:『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい

『クラリスロマイシン』が後遺症に効くかも?

後遺症外来をやっているヒラハタクリニックの平畑先生のこちらのツイートをみて、耳鼻咽喉科にてクラリスロマイシンを処方してもらった。まれに後遺症に効くことがある、保険適用で長く出せる抗生剤だそうだ。

このときわたしはかなり寛解していたので効果は実感できなかったが、息子は頭痛がなくなったと言っていた。平畑先生曰く「何が治るかはその人の体質次第」とのことだった。絶対効くとはいえないが、効くかもしれないので機会があればかかりつけの医師に相談してみてほしい。副鼻腔炎ふくびくうえんで処方される薬なので、耳鼻咽喉科でお願いしてみるといい。

このように、人によって何が効くのかわからないのが後遺症の厄介なところだ。とことん自分の身体と向き合うしかない。ちなみに、平畑先生のTwitterは後遺症についての新しい情報がどんどん出てくるので、フォローを推奨する。

漢方薬が効く! 後遺症外来で相談を!

わたしも息子も漢方薬を飲んでいた。

息子は『ツムラ漢方釣藤散(ちょうとうさん)』が頭痛に効いたらしい。わたしは、めまいに『ツムラ漢方苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)』が効いた。

漢方こそ体質によって、効く・効かないが大きく違うそうなので、後遺症外来に相談してみてほしい。近隣に後遺症外来がない場合は、漢方を取り扱っている内科クリニックがよいかと思う。ご自身の症状について説明すれば合うものを提供してくれる。

慢性じんましんの特攻薬『ゾレア』

慢性蕁麻疹まんせいじんましんについては、どんなステロイド剤(免疫抑制剤)を飲んでも効かなかったので、最終的に『ゾレア』という注射を打った。保険適用で月17000円~と高額だが、かなり効いた。その日から慢性蕁麻疹はピタリと収まり、なぜかぞわぞわ感やブレインフォグ、動悸も消失した。ついでに毎年悩まされていた花粉症もなくなった。

ちなみにゾレアは、喘息ぜんそく重度花粉症じゅうどかふんしょうなどにも使われる。該当する人は検討してみてほしい。なかなか取り扱っているクリニックがないので、「ゾレア 住んでる地域名」で検索するといい。

参考:『ゾレア』http://www.xolair.jp/

コロナ後の『味覚障害』はどうする?

実はワクチン後遺症でありながら、コロナにもかかっている。コロナ後は味覚障害になり、何も味がしなくなった。1か月半くらいは8割くらいの味覚だった。こちらは亜鉛とナイアシンのサプリで寛解かんかいした。

個人的な感想だが、亜鉛は呼吸困難感にも若干の効果があったように感じている。

『冷やさない・深呼吸をする』

わたしの場合、後遺症の症状が強くなるのは、寒い日、体が冷えた日が多かった。この項目では、個人的に気を付けて効果があったものを記載する。

以下、おすすめの冷え対策。

・靴下(冷え取り靴下と書いてあるものがおすすめ!)
ゆたぽんほっとくびまくら
巻きポカ
・白湯
お灸
・ペットボトル温灸(平畑先生が推奨している)

お灸およびペットボトル温灸で、温めるべきばしょは上記赤丸。
ヒラハタクリニックの平畑先生が質問会で仰っていたツボである。

画像はせんねん灸さんからお借りした。→ https://www.sennenq.co.jp/knowledge/tubo13.html

参考:ヒラハタクリニックHP新型コロナ感染症・後遺症の記事

基本的に『首』とつく場所を冷やさない。足首、手首、首。特に『巻きポカ』をしないと途端に具合が悪くなった。今でも毎日つけている。ちなみにホッカイロは、専用のものでなくていい。期限が切れそうなミニほっかいろが楽天で安く売っているので、大量買いする方はそちらがおすすめ。キーワードは「ほっかいろ 期限」で検索!

また、後遺症の方は身体が疲れていて呼吸が浅くなっている場合が多い。気づいたときに深呼吸をする。寝る前は必ず腹式呼吸にして、たくさん息を吐く・吸う。不眠については深い呼吸で改善した。

試したけど効いたかどうかわからなかったもの

下記は、「後遺症に効く」と言われていて試したけど効果が感じられなかったもの。これはわたしの個人的な体感で、誰かにはとても効くかもしれないので、「ふ~ん」くらいにとどめておいてほしい。

・イベルメクチン
・エプソムソルト
・葛根湯
・マルチビタミン
・カルシウム・マグネシウム
・重曹

長すぎて、何を言ってるかわからなかった方へ

おそらくブレインフォグ(頭にモヤがかかったような状態)の症状があるので、とりあえずBCAAのサプリを飲んでみてほしい。少しよくなったら理解できる箇所も増えると思うので、わかる範囲から治療をすすめてみて。

一気にやると疲れるので、長くゆっくりやるつもりで!

死にたいと思っている方へ

急にトピックのタイトルが重くなってしまったが、わたしは闘病中、ずっと死にたいと思っていた。一番厄介だったのが精神症状といってもいい。

去年の9月の段階では後遺症はまだ一般的ではなかったし、治療法も全然わからなかった。基本的には対処療法しかなく、このまま死にゆくしかないのかと思っていた。だが、最近になって後遺症の解明と共にじわじわと効果のあるものがわかってきた。研究は進んでいる。

また、今年に入ってから後遺症になった人にすぐに対処法を教えたところ、すぐに改善する人が多かった。どのような病気でもいえることだが、早期発見・早期治療が、後遺症にとっても大事といえる。

逆に言うと、後遺症が長く続いている方は、治療も長くなると考えられる。急に「すっごくよくなった!!」ということはあまりなく、じわじわと「そういえばかなりいい感じになってきた!」という感じだった。長期戦になると、なおさらメンタル面が不安になると思う。

人それぞれ症状も効くものも違うので、わたしのやったことをやれば「必ず治る!」とは言えないが、あえて言わせてほしい。

必ずよくなるから、あきらめないで!!

おわりに

実は、後遺症になっていながら気づいていない人というのが多くいる。もしそんな人を見かけたら、教えてあげてほしい。

「後遺症が治って元気に生きている人がいる」という事実が、誰かの希望になりますように!

※わたしは医療従事者ではありません。あくまで後遺症当事者および、当事者の親として体感したことを記載しています。必ず医師と相談のもと、治療をおこなってください。

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ichinooikawa
編集・ライター・ステップファミリー・ホームパーティーマニア。猫と夫と息子と娘。20時以降は飲酒している。夫と漫画が大好き。