マザー・コンプレックス

私のアドニス

 優の父親が亡くなった日、小学校は大騒ぎだった。生徒の父親の死はそれだけでもショッキングな情報なのに、更に母親に殺人の疑いがつけられてしまったからだった。
 テレビやインターネットのニュースで大きく報道されてしまった事で、優の学年だけでなく学校全体に知れ渡った。学校側は過敏になった保護者から、事件についての説明をしばしば求められた。
 中でも、羽鳥達也の母親は相当な乱心ぶりだった。「殺人鬼の息子」という強い言葉を使って何度も優を批判した。毎日のように学校に訪れては無差別に教師たちを捲し立てる。「同じ学年に殺人鬼の息子がいるなんて、これから先の人生にどのような影響を与えるかわからない。空手の大会にも支障が出るかもしれない。息子に何か起きたらどうするのだ」というような内容の手紙を、教師だけでなく保護者にまでに配っていた。校長室のドアをダンダンと叩き始めた時は、あまりの狂乱ぶりに学校側が警察を呼ぼうか判断に迷う程だった。
 青柳孝弘は優のクラスの担任という事で、何度も色々な人物から優についての説明を求められた。その日職員室で見覚えのない女性に呼び出された時は、正直「またか」と思った。
 けれどいつもと違ったのは、女性が学校関係者でもマスメディア関係者でもなく、優の母親の友人だったという事だった。孝弘が授業に向かう直前の事だったので、女性はメモを渡してさっさと職員室を後にした。渡されたメモには、メールアドレスと電話番号、そして「徳島栞」という名前が書かれていた。
 眼鏡をかけた、細見の女性。ベージュのスカートにカーキ色のジャンパーという比較的地味目な格好なのに、手首に水色のシュシュをつけていた。優について話したい事があるという突然の申し出を受け入れたのは、孝弘にとっても優の事が気がかりだったからに違いなかった。
 孝弘は学年の生徒たちへの影響よりも、優の事が心配だった。置かれている状況があまりにも違いすぎると感じていたからだった。その為誰かしらに、優はどのような生徒なのかと問われた際は、少し心配な部分があったという事を隠して話している節さえあった。
「改めまして、徳島栞と申します。先程もお話しました通り、優君の母親である加奈さんの友人です」
 メールで指定されたカフェの一番奥の席で、栞は丁寧に頭を下げた。
「青柳孝弘といいます。優君のクラスの担任を受け持っています。この度は、どうも……」
 なんという言葉をかけるのが適切かわからずに、言葉に詰まる。
 栞は真っ直ぐに、孝弘の方を見ていた。そのまま目線を逸らすことなく、口を開く。
「私、加奈さんが犯人ではないと思っているんです」
 栞は相手に衝撃を与える話だと理解した上で言葉を選んでいる。穏やかな優しい口調だった。
「そうなんですか」
 栞の真っ直ぐな目を見ながら、孝弘はとっさに間の抜けた返事をしてしまったと思った。けれどそうでなければ、もう少しで「実は僕もなんです」という言葉が出そうだった。大きく息を吸う栞を見ながら、孝弘は優とその母親について思い返す。

「だから、なんで‼」
 社会科のレクレーションの時間、優が大きな声をあげた。すぐに隣の席の男子生徒と取っ組み合いの喧嘩が始まり、孝弘が仲裁に入った。
「どうしたどうした、何があったんだ」
「優がいきなり掴みかかってきました! 俺は何もしていません!」
 健太は興奮しながら、優を指して言った。使い慣れていない「俺」という発音がぎこちない。
 優はというと、聞き取れない言葉を呻きながら、目を真っ赤にして涙を溜めていた。孝弘は、周囲の生徒に話を聞いて回った。
 隣の席の女子生徒によると、健太が教室の中央にある扇風機を消した事が発端だと言う。最初は無言で扇風機をつけただけの優だったが、健太が何も言わずにまた消した。この応酬を何度か繰り返していくうちに、優の怒りがピークに達して手が出てしまった、という事らしかった。
「どんなに腹が立っても手を出したらダメだ。健太さんは? なんで扇風機を消したの?」
「寒いからです。風邪をひいています」
 生徒たちの話を聞いているうちに落ち着いた様子の健太は、淡々と答えた。ところがその隣で優はますます興奮状態に陥ってしまい、壁に頭を打ち付け始めた。
「暑い! 暑い暑い‼」
 孝弘は、慌てて壁から優を引き離した。優の自傷行為は、春から数えて四回目だった。何か大きなストレスがかかると腕に爪を立てたり、身体をどこかに強くぶつけて自身を傷つける事がある。感覚過敏があるらしく、冬でも半袖を着ている子だったので、その日は本当に暑かったのだろうと思う。その日は特別に扇風機を固定するという対処を取って、双方が謝って事なきを得たように見えた。
 優は、このような些細なトラブルを度々起こしてしまう子だった。孝弘は、その度に優と二人で別の教室でコミュニケーションを取るようにしていた。手のかかる子程可愛いという訳ではないが、優の事を多く気にかけていたのは事実だった。
 後日、懇親会で「ご家庭で大切にしている教育方針はありますか」という問いかけに、母親の加奈は一番に手を挙げた。
「嘘をついてはいけません。自分なりの正しさを身につけなさい。健やかでいるための努力をしなさい。という三つのルールを大切にしています。親子で共通の認識を持っていれば、不要なトラブルを避ける事ができます。一番は、自分の叱りすぎ防止のため、というのが理由なんですけど」
 いたずらっぽく笑って、周囲の親からも小さな笑いが起きる。加奈は学校行事には積極的に参加し、意見を出してくれる母親だった。
 懇親会が終わった後、健太の母親が加奈の方に目配せしながら、「先生、すみません」と言った時は、しまったと思った。大きな問題になる前に対処したつもりだったが、直接話をしたいのだろうか。どのように話を展開しようか考えながらゆっくりと声をかけた。
「あー、江本さん。ちょっといいですか? 先日、健太さんと優さんがちょっと喧嘩をしまして……」
「すみません! 優が何かしましたか?」
 加奈が慌てて頭を下げる。
「始まりは扇風機を消す、消さないの些細な揉め事だったんですけど、その時は双方が謝って終わったように見えたんです。でもそのあと優さんが納得いってなかったみたいで」
 話を割るように健太の母親が話し始めた。
「その日から、優君が帰り道にずっと後ろをついてくるようになってしまって。その時にランドセルに葉っぱを入れられたりしたみたいなんです。先週なんかはマンションのエントランスの中まで入ってきちゃったんですよ」
「すみません!」
 加奈の顔はみるみる青ざめていった。孝弘もそこまでの事に発展しているとは思っていなかったので少し驚いたが、優ならやりそうだとすぐに思い直した。
「それで、健太もちょっと参っちゃったみたいで」
「ごめんなさい。優は、ちょっと人との距離感がおかしなところがあって。その上、幼いものだからコミュニケーションの取り方をよく間違えてしまうんです」
「もちろん、うちも幼いんですよ」
 意外にも、健太の母親が同調して話を進めてくれたので、孝弘は少しホッとした。しかし加奈の言葉は時折どもっている。
「き、きっと、健太君とも仲良くしたかったんだろうと思うんですけど。本当にすみません」
 加奈が何度も頭を深く下げて謝るので、孝弘は慌ててフォローした。
「健太さんもね、友達にちょっかいをかけるタイプの子でね、似た者同士なのかな? 仲がいい時もあるんですよ」
「いえ、でもうちの子は度が過ぎていますので。私の方からも注意しておきます。もう二度とこのような事がないように」
 加奈が厳しい口調で対応を言葉にした。
「うちの子も、人との距離感がわからないところがあって、私自身扱いに困る事もあるんですよ」
「本当にすみません。男の子って理解できない事が多くて」
「うちもなんです」
 何度も健太の母親が同調した。孝弘は雰囲気を変えようと、声を明るくして話を変えた。
「せっかくだし、連絡先を交換してみてはどうでしょう? 色々、共有する情報もあるでしょうし」
「いえ、本当にすみませんでした」
「お時間ありがとうございました。では失礼しますね」
 孝弘の提案は、やんわりと双方に断られた。教室を出る健太の母親の後ろで、加奈は深々と頭を下げている。孝弘は手持ち無沙汰に教卓の上にあった日誌を何となく持った。加奈の口調はしっかりしていて丁寧な対応だと思ったが、よく見ると手が小刻みに震えていた。
 孝弘はまた、しまったと思った。
「すみませんお騒がせしてしまって。先生、何かあったらいつでも連絡くださいね。私、電話はいつでも取れるんです。恥ずかしいですね、三つのルールの話とかしてしまって」
 加奈はクルンッと足をターンさせて、孝弘の方を向いた。ロングスカートが小さく宙に舞う。
 それから孝弘は、優に何か変化が起きると、出来る限り加奈に知らせるようにした。その結果、一週間に二度くらいの頻度で加奈に電話をかけるような形になった。今になって思えば、それも正しい選択だったのかどうかわからない。
 少なくとも孝弘の目には、あの日の加奈は理性と愛情をしっかりと持った人間に見えた。自身の子供の過失について丁寧に謝罪した上で、その子の性格や性質を相手に伝える。これは、多くの保護者が上手に出来ない事だったりする。トラブルを抱えがちな優の母親だからこそ、という印象を持った。そして何より加奈は他人から直接苦言を呈される事で、手が震えてしまうような人物だった。人を殺すという事が可能なのだろうか。「自分なりの正しさを身につける」という事を子供に伝えている人物が、衝動的とはいえその子の父親を殺すなんて思いつきもしないのではないだろうか。はっきりとした根拠はないが、考えるほどに違和感が残るのだった。

「徳島さんは、どうしてそう思われるんですか?」
 孝弘は渡されたメモを見て名前を確認しながら問いかけた。
 栞は孝弘の質問を聞いて、さらに質問を返す。
「先生は、加奈さんに会った事がありますか?」
 どうしてそう思っているか話すには、会った事があるのかどうか、確認が必要という事だろうか。栞は先程と変わらずに真っ直ぐに孝弘を見つめている。
「何度かあります。授業参観や、個人面談の時に」
「どのような様子でしたか?」
「しっかりした人だなという印象です。理路整然と物事を話すといいますか」
「私の知っている加奈さんです」
 孝弘の頬が緊張で強張る。栞は孝弘の目を見つめながら話を続けた。
「加奈さんに何があったのか、全てはわかりません。だけど、多分その事は優君が知っていると思っています。今日ここに来たのは、先生に優君の面会に行ってくれないかというお願いをしたかったのです」
 そう話しながら栞は、ケースが何もついていないスマートフォンの画面を差し出した。
「これは私と加奈さんの高校時代の友人のブログです。友人は、優君の父親である誠さんと、二〇年以上もの間、不倫関係を続けていたようです」
「はぁ……」
 予想外の話が出てきたので、孝弘は返事に困った。
「とは言え、最初に手を付けたのは自分の方だというのが友人の言い分のようですけど。加奈さんはその事を知らずに、ずっと双方と付き合いを続けていました。友人と、自宅でもよく遊んでいたようなんです」
「つまり、優君のお父さんの不倫相手が、お母さんと一緒に遊んでいるという事ですか」
「そういう事です。それだけならまだ良い……というわけではありませんが、この日のブログを見てください」
 栞は、スマートフォンを孝弘の手の上に置いた。

お茶の自由研究をしているというアドニスに渡した朔日草
彼は柊二によく似て賢いから、本当に可愛い
お父さんの誕生日の花だから、きっと喜ぶと伝えた
嬉しそうな顔で微笑む可愛い、可愛い私のアドニス

 ほんの数行ほどの文章だが、孝弘は何故だか背筋に強い寒気を感じた。ゾワゾワと背中に虫のような嫌悪が這う。画面に書かれている日付は、優の父親が死亡するほんの二日前のものだった。栞の口ぶりからして、アドニスというのは優の事らしい。
「違和感があって調べてみたのですが、朔日草って毒を持っているらしいんです。日記はここで終わっています」
 栞はスマートフォンの画面を人差し指で上下に揺らしながら、話し続けた。
「先生、私はどうしても加奈さんが誠君を殺すとは思えないんです。優君に、何があったか聞いてみてくれませんか」
 栞はここに来て、優の父親の事を「誠君」と呼んだ。父親の方も知り合いなのだろうか。少しだけ疑問に思ったが、なんとなく孝弘は口に出すのをやめた。
「ご友人の方は、何というお名前ですか」
「羽鳥萌絵といいます」
「萌絵さんには、お子さんがいますか?」
「いませんよ。結婚もしていませんし」
「じゃあ、ご兄弟とか……」
 孝弘はすぐに羽鳥達也の母親を思い出した。連日のあの狂乱ぶりは、羽鳥萌絵と何か関係があったのだろうか。生徒の名前を軽率に出すわけにも行かず、遠まわしな聞き方をする。
「確かお兄さんがいたはず。何かありましたか?」
「いえ、ちょっと気になったもので。皆さんずっとこの辺にお住まいなんですか?」
「私は大阪の方に行っていた事もありますけど、今は地元に戻ってきています。加奈さんと萌絵……さんは、たぶんずっと地元だと思います」
 栞は萌絵に敬称を付ける事をためらった様子だった。事件の複雑な背景が少しずつ紐解かれていく。孝弘はグッと拳を握った。
 優が今いるのは児童相談所だ。色々な事情で保護されている子供に面会出来るのは教諭と親族のみと決められている。栞はどこからかその情報を調べて学校に来たのだろう。
 帰宅後、孝弘は送って貰ったブログの中身をくまなく調べた。確かに頻繁に優の家を出入りしている萌絵の様子が書かれていた。孝弘はその度にゾワゾワと背筋が寒くなるような感覚に襲われた。悪意という言葉が頭に浮かぶ。
 最初は女子高生だった萌絵が、大学生、社会人と大人になっていくにつれて、視野が広くなっていくような部分が垣間見られる。けれど恋愛に関しては年月をかけても大きな変化はあまり見られなかった。延々と同じような日々の繰り返し、同じような言葉の羅列ばかりだった。何度か「ちゃんとしなければいけない」と不倫相手との別れを決意したような日もあったが、また数日ほど経つと元の関係に戻っていく。その際、少しだけ広がった視野で必死に自分自身を肯定している姿は、滑稽とも思えた。赤の他人である孝弘から見ても、萌絵の人生はあまりにも生産性が低いように思える。それは、想像するに相当辛かったのだろうとは思う。
 しかしこの間、優は一体どんな思いで過ごしていたのだろう。優の家は一見普通の家庭に見えたが、中身は複雑で歪な形だったのだ。優が小学校で荒れている様子の日は、子供ながらに何かを感じ取る事があったのではないか。自分が生まれる前から続いている因縁のようなものに巻き込まれて、理不尽な思いをしていたのではないか。読めば読むほど、悲しみに似た怒りが沸いて来るのだった。

 優が保護されているという児童相談所は、薄暗くてかび臭い古い建物だった。この建物の中に、優に寄り添う人間は誰かいるのだろうか。父親にも母親にも会えない状況で、どれほど不安な日々を過ごしているだろうか。そう思うと、孝弘は胸が押しつぶされそうになった。
 薄暗い明りの下で受付を済ませると、待合室に通される。待合室には、埃っぽい本棚と破れた硬いソファが置いてあった。本棚には、大人向けの書籍と児童書が混在している。どれも古くて、開くと埃が落ちてきそうな本ばかりだった。
 壁には、『ストップ虐待!』と書かれたポスターが貼られている。じんわりと黄ばんだ壁に、極端に赤い文字が浮き上がっているように目立つ。優はこの文字を見てしまっただろうか。
 ソファには、小学校高学年くらいの女の子とその子の母親らしき人が並んで座っていた。一見、ごく普通の親子に見える。しかしこの親子も何か事情があってここに来ているのだろうと、孝弘は思った。
 待合室で二〇分程待つと、二階の別室へと通された。緊張の面持ちで階段を上がった孝弘だったが、意外にもすんなりと優はそこにいた。少し頬が痩せていて、小学校で一度も見た事のない服を着ている。洋服を届ける人がいないから、という事だろうか。いつも半袖だった優が長袖を着ているので、新鮮に感じた。
「元気だった?」
 孝弘は言葉を口にした瞬間、まずいと思った。父親が死んで、母親にも会えない状況の子供が、元気なはずがない。慌てて話を切り替える。
「ご飯、食べられてる?」
「うん」
「優の顔、見られて良かった」
「うん」
 孝弘は、優がなるべく不安な事を思い出さないように、何気ない話をした。優はもともと口数の多い子ではなかったが、さすがに不安感が強いようで、いつも以上に返事をする声が小さかった。
「お茶の研究、してたんだって?」
 最大限に気を付けて、自然と話を切り出したつもりだった。
「うん」
 あらぬ方向を向いたまま、優の口が小さく動く。孝弘は手がじんわりと汗ばむのを感じた。小さく息を吐いて静かに話を進める。優に悟られないように話をしなくてはいけない、そう思うと自然と呼吸が浅くなる。
「上手に出来た?」
「うん」
「どんなお茶を作ったの?」
「ウラジロガシとアロエ、オオバコ」
 優は、孝弘の質問に疑問を持つでもなく素直に答えてくれる。児童相談所に保護されてから、色々な人物にたくさんの質問をされたからだろうか。教室で話す時の、いつものあどけない表情の優だった。孝弘の頭に『ストップ虐待!』という真っ赤な言葉が、頭に浮かぶ。
「すごいね。たくさん作ってたんだ」
「うん。あと、ママの友達に貰った植物」
 孝弘は声が上ずってしまわないように、小さく深呼吸をして質問した。
「友達って誰?」
「もえちゃん?」
 何故だか優は問いかけるように名前を口にした。パチパチと瞬きをしながら、首を少し傾けている。孝弘の呼吸は浅く、速くなっていく。やはりアドニスとは優の事だったのだ。栞に送ってもらったブログを読めば読むほど、そうだろうという確信は強くなっていったが、空想であってほしい、違っていてほしいとも願っていた。
「お茶、美味しかった?」
「飲んでない」
「そうなんだ。どうして飲まなかったの?」
「パパの病気に効くって言われたから」
 少しズレた回答が来るのも、いつもの優と変わらない。孝弘は気を抜くとすぐに浅くなっていく呼吸を、静かに整えた。
「お父さん、病気なの?」
「うん。パパだけが飲んだ」
 最悪だ。
考え得る限り最も邪悪な予想が、現実になっていく。孝弘は思わず優を抱きしめた。
「どうして……」
 胸の奥底からこみ上げて来る絶望が喉に引っかかって、うまく言葉が出せない。
「病気治ったら……パパとママが……仲直りすると……思った」
 優は言葉を落下させるように、小さな声で途切れ途切れに呟いた。

第七章『私のアドニス』終。

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第一章【漆の汁椀とマヨネーズ】
第二章【ママの書置き】
第三章【泥棒のいる家】
第四章【ベビーブルー】
第五章【クレプトマニア】
第六章【二人のマコト】
第七章【私のアドニス】
最終章【マザーコンプレックス】

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ichinooikawa
編集・ライター・ステップファミリー・ホームパーティーマニア。猫と夫と息子と娘。20時以降は飲酒している。夫と漫画が大好き。