これ何の話?シリーズ

「手越祐也」というスターはどうしたらよかったのか

 『手越祐也とファンにみるアイドルとミラーリング』という記事を書いたら「どうして動画を見ていないのか」と言われた。私は手越のファンではないから以外の理由はないのだが、テキスト化して公の場に発表してしまった以上確かにそれもそうだなと思った。けれどいざ見に行ってみたら、痛々しくて悲しくなった。

 これから書くテキストは、昨日の記事のように真実を時系列で書いていくものではない。あくまで私個人の見解と主観によるものなので、強烈に合わないと思う方がいるかもしれない。それは価値観の相違ということでそっとページを閉じてほしい。

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 現在の手越祐也の活動について、私は良いとも悪いとも思わない。ただ、「ファンが可哀相、ちゃんと向き合ってあげて」とは強く思う。その上で手越のYou Tube動画を視聴したからかもしれないが、あまりにも虚勢を張って無理やり頑張っているように見えて、こちらまで苦しくなった。目が笑っていないのだ。これは本気のファンだった人は苦しくなるどころの騒ぎではないだろう。
 おそらく手越自身も苦しさを感じていると推測した上で勝手にこの話を押し進めるが、彼の苦しさの根源はファンとの「価値観の違い」である。Twitterのフォロワーが数万人単位で減っていく、思ったほどファンクラブの会員数が伸びない。これは明らかにそれを証明している。しかしおそらく本人は、「なんかうまくいかない」「今は苦しい時期なだけ」というように考えているような気がする。それでは恐らく苦しさはいつまでも解消しない。

 なぜなら彼自身が最も求めているのが現在価値観がすれ違ってしまっている「ファン」であり、そんな「ファンに求められる自分」だからである。これは彼の16年間のジャニーズ人生が多大なる影響を及ぼしている。これまで「ファンの数」「ファンに応援されること」のみを追求してきたからだ。当たり前の感情だといえる。一度見てしまったスターの世界を忘れることができないのだ。
 けれど安心してほしい。手越祐也がいまだスターであることには変わりない。これはアイドルとしてではなく「金」に注目した場合の話である。手越のチャンネル登録者数は152万人。記者会見の再生回数は1000万回、弱音動画は126万回。チャンネル内の総再生回数は2855万回である。現時点のYouTubeの収益だけでも数百万円はかたい。コンスタントに動画をあげていき企業案件などを獲得していけば、『株式会社ポップコーン』の初年度収益は1億円以上となるだろう。1億円稼ぐYouTuber、スターと呼んで遜色がない。

 しかしここ最近の手越といえば『手越ちゃんねるのサブスク』というものを発表し、いまだファンとの距離を縮めようと模索しているのだ。内容の9割は割愛するがこれはファンクラブとは別に、フレンドプラン月額880円、ファミリープラン月額2800円というサービスが用意されているものである。そしてファミリープランには「手越とひみつのチャット部屋ご招待」という驚きのコンテンツが含まれている。これには活動の場が地上から急に地下に潜ったような印象を受けた。誰が提案したのかわからないが、それを引き受ける手越は相当病んでいる。けれど彼はファンの近くに行き承認してもらわないと欲求が満たされないのだ。
 やはり彼の人生は「ファンがすべて」なのである。それは紛れもない事実であり、彼が今最も苦しい肝の部分だ。「だったらファンの気持ち考えて行動すればいいじゃない!」と思うだろうが、彼なりに考えているのだ。考えた上であれなのだ。手越はファンの気持ちも求めていることも、価値観が違いすぎて本気でわからないのである。

 以前、手越のLINEが流出した際に「俺頭良くて成功している人好きだからいい人とかすごい人しか接しないw(原文ママ)」という文言があった。私はこの一件にすべてが詰まっていると感じている。まず、「頭が良くて成功している人」は、イコール「自分にも成功を与えてくれる人」とは限らない。これは彼の周囲に配置されている人間の、人選ミスの多さを物語ってしまっている。エッセイ本の編集者はきっと「頭が良くて成功しているセクハラの人」だとは思うが、その人は手越自身の望む「成功や幸福」を与えてくれただろうか? しっかりと考えてみてほしいところだ。手越が望む「成功や幸福」を最も自身の理想に近い形で与えてくれるのはファンではないのか。
 そもそも「俺頭良くて~」という文言は、強烈な優生思想である。価値観は人それぞれ。一人ひとりに多様性があっていいと思うが、応援しているファンも同じような思想でないとついていくのはなかなか難しい。少なくとも脱落していったファンの中には「優生思想の人はきつい」と感じている人が多いのではないか。
 何より、手越は自覚のないミソジニー(女性蔑視)である。飲み会だか打ち合わせだかの現場に「男だけだと何なんで」と言って女性を呼ぶ。この行為自体が女性の人格を軽んじている。そこに気づいていないのはマジできつい。令和2年。今やほとんどの人が人間は皆平等だと学んでいる。そうではない側面ももちろんあるかもしれないが、そのことを平然と口にしていい社会ではないのだ。さらに、手越のファンは大多数が女性である。尊重できない理由がわからない。まさか本当にペットのような「子猫」だと思っているのだろうか。だとしたら一刻もはやく考えを改めるべきだ。手越が今やるべきことは「ファンと価値観を合わせていくこと」、これだけだ。

 しかし「ファンがすべて」という状況ももしかしたら長くは続かないのかもな、とも思う。なぜならイッテQなどの番組の功績により「手越のことを認知していて、かつ好意的な感情を持っている」人物も少なくないからだ。ここにきてそれは恐らく「彼ら」に主語が変わる。ビジネスのターゲットを彼らに変えるのであれば、優生思想・ミソジニー・ルッキズムの男性ファンがついてくるかもしれない。あるいは価値観に無頓着な子供もいいだろう。先日のnoteでも書いた通り、アイドル(アーティスト)とファンは似てくる。手越自身の思想に近い人およびそのことを気にしない人が近寄ってくるだろう。それで満足ができるのなら、手越の苦しさは解消される。ただし彼らが手越本人に直接お金を落とすことはほとんどない。今まで応援してきてくれた女性ファンとは、質が違うからである。

 ステージに立った手越のスター性は確かに本物だった。これは紛れもない事実である。だからこそあんなに多くのファンを魅了したのだ。手越にはそのことを踏まえた上で「自分の武器は何なのか?」「自分は誰に認めてもらいたいのか?」を考えてほしいと思う。ただ、彼が夢見る「世界」は、日本以上に彼の価値観を許さないだろう。自分の持つ価値観について、しっかりと勉強してから考えてみるといいかもしれない。あと、物に当たるのはシンプルなDVであるということも認識として取り入れていってほしい。

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 人生で最も手越のことを考えた2日間だった。以降私が彼について語ることはないのでご了承を。

ABOUT ME
ichinooikawa
編集・ライター・ステップファミリー・ホームパーティーマニア。猫と夫と息子と娘。20時以降は飲酒している。夫と漫画が大好き。