外出自粛を要請されて、世界中の人たちがステイホームを満喫していると思う。わが家も例に漏れず、ずっと家族で自宅にいる。
中でも5歳の娘は、ステイホームをめちゃくちゃエンジョイしていた。本当に、一日中楽しそうだった。彼女は、保育園に通う事や外出が出来ず、自宅での時間が無限にあるという状況を利用して、ゴリゴリのジャニオタになっていた。
『オタク』という文化
ハロプロヲタク、プロレスヲタク、ジャニーズヲタク、アニメヲタク、ドラマヲタクなどなど、『オタク』はもはやニッチなものではなくなった。誰もが「推している」人やものがあって、誰もが「推しの話」をするとオタクっぽくなってしまう。
先ほど挙げたあらゆるジャンルのオタクは、実際に私の周囲にいる。みんながみんな、ちょっとでも推しについて触れられると堰を切ったように推しの話を始める。生活の8割くらいはとにかく推しごと。推しさえ幸せでいてくれれば人生はハッピー!オタクはいつだって、豊かである。
そんなオタクに、いつの間にかわが娘(5歳)がなっていた。何も教えていないのに、あまりにもテンプレなヲタクに成長したので、彼女の生活を紹介したい。
①推し曲は基本踊れるし歌える
とにかく推しの曲は全力で踊る、歌う。これは全オタクの基本のように思う。ただ娘は5歳なので英語をしっかり発音するのは難しいらしく、独自の歌詞を生成しがちである。
例えば、Snow ManのD.D.という曲の歌詞。
♪ Dancing Dynamite Oh Dynamite Let’s Sing It LALALA ♪
娘はこの部分を、♪だんしんなーなーだんしんまいるーなーなーなー!!♬ というように独自のアレンジをしている。園児が自分なりに推しの言葉をマネして歌っているのは、なかなか味わい深い。
ダンスに関しては放っておいたらDVD1枚分(2時間)くらいずっと踊っている。もしも自分の子供がオタクになってしまい、ダンスを踊ることをやめられないようだ……という状況の人がいれば、脱水にならないように水分補給の声掛けを忘れないであげてほしい。
②推しがイケている時はテレビの撮影
テレビに映った推しのビジュアルがよすぎる場合は、写真を撮る。「かわいい!かわいい!」というように、形容詞を連呼しながら連写するのが彼女の癖のようだ。ただし5歳ゆえにうまく撮れることは少ない。グループのメンバー全員が映る画面を好んでいる。
③似てないモノマネにキレる
娘は推しの似ていないモノマネを見かけると、めちゃくちゃにキレる。モノマネ番組を見ながら、
「え、似てない似てない。似てないんだけど。どういうこと」
と、豪速で喋る姿は、ちょっと怖い。
④基本的に話は全て自担の話に持って行く
先日こんな会話があった。
息子「この間、鯛をさばいたんだよ。すごく大きなお魚だったよ」
娘「え?タイ?タイって言った今?大我と一緒じゃん!京本大我!多分その魚、SixTONESだよ!」
「多分その魚、SixTONESだよ!」というセリフは、恐らく世界中でうちでしか聞けない。話泥棒にもほどがあるが、娘はこんな調子でどんな話でも推しの話にすり替える。魚の話ですら推しの話に聞こえてしまう、驚異のオタ耳を持っているようだ。
⑤一般人の間違えた知識を全力で否定する
さて、緊急事態宣言が開けて、週に3回ほど保育園に行くようになった娘は、先生にも推しの話をしているようだ。本日、保育園帰りの自転車の上でこんな話を聞かせてくれた。
「Y先生さ、ひーくんが悪いことして辞めたって言ってたんだよ。本当何もわかってない!」
確かにひーくん(岩本照君 )は活動自粛しているだけで、やめてはいるわけではないので、娘の言っている事は合っている。推しについての正しい情報を布教したい、それがオタクの姿なのだ。
⑥推しのイラスト描いちゃう
これは先日娘が描いたイラスト。誰が誰なのか教えてくれているときの写真だ。
ある程度予測はしていたが、全員ジャニーズ事務所のアイドルだった。保育園のお友達がプリキュアやお花の絵を描いているとき、娘は推しの絵を描いている。
嵐からひとりだけ相葉ちゃんが選出されていたのには、笑ってしまった。
⑦推しのイケているところを自慢する
娘は2020年1月にCDデビューしたSnow Manのラウールというメンバーを強く推している(脚が長くてかっこいいらしい)。そして最近、昨年までのテレビ番組を見返すと、先輩たちのバックでラウール(Jr時代)が躍っているということに気付いたそうだ。彼女はこれを血眼で探し出し、私に報告してくる。
「ここ! 次!! ラウール出るから!! あ、ほら!! 今! ちょっとママ!? スマホいじらないでよ! ほら、ラウール来るよ!!」
こんな調子で、一瞬だけ画面に見切ったラウールを、全力で見せて来る。本当に一瞬すぎてあまりわからない。けれど少しでもスマホをいじると、怒られる。オタクはいつだって推しを自慢したいのだ。
⑧グッときたところは何度も早戻しする
娘は、グッときたところは早戻しして再確認する。先ほど写真に撮っていたシーンは、何度も繰り返し確認しているようだ。King & Princeが「大丈夫」とファンに向けて言ってくれているところである。何かしら5歳にも響くものがあったのだろう。
園児ゆえに水筒をぶら下げて生活している点も、感慨深い。
⑨テレビ画面の推しに話しかける
娘は、テレビに話しかける。最近はABC-Zの河合郁人君に声をかけていた。
「ふみきゅん髪切った? いい感じじゃん!」
推しの変化は、決して見逃さない。
⑩推しがいる前では恥ずかしいことは出来ない
先日娘に、「チューして」と言ったらなぜかめちゃくちゃ怒られた。
「Snow Manが見てるのに、そんなこと出来ないよ!!」
どうやら娘がSnow Manを見てるとき、Snow Manもまた娘を見ているようなのだ。そりゃ、アイドルがリビングにいるのなら、私もチューは迂闊に出来ないと考える。
⑪植物に推しの名前をつける
これは、娘の育てている豆苗。名前は「さっくん」。
どうやら娘は、ペットに推しの名前をつけるタイプのオタクらしい。
⑫ジャニーズと妖怪の本を交互に見る
娘は2歳くらいの頃からなぜか妖怪が好きで、今でもよく本を読んでいる。しかし妖怪の本を読み続けるととてつもなく怖くなってしまうらしい。
「あぁ、こわい。こわい。こわいからジャニーズ見よう」といった感じで、妖怪の本を読んで怖くなったらジャニーズで大騒ぎすると決めている。非常に5歳児らしいルーチンだと思う。ちなみに推しの妖怪は『あかなめ』。
⑬同担は拒否
娘は、ジャニーズWESTなら中間淳太君を推している。先日こんな会話もあった。
娘「ジャニストなら誰がすき?私はね、淳太君!」
私「うーん、ママも中間君かなぁ」
娘「いやいや、ママはあの黒いTシャツの人でいいじゃん!」
驚くべきことに私は突然、“黒いTシャツの人”こと桐山照史君をあてがわれた。娘は推しを共有したくないタイプ、『同担拒否』のようである。
『DD(誰でも大好き)』オタク
お気づきの方も多いと思う。娘は所謂「DD」で、複数のメンバーやユニットを応援するアイドルオタクである。ジャニーズなら『誰でも(D)大好き(D)』。基本的にジャニーズアイドル全員をこよなく愛している。
とはいえグループ内で誰が一番好きなのかは決めているようで、Kis-My-Ft2なら千賀健斗君、ジャニーズWESTなら中間淳太君、というように、それぞれに推し(担当)を配置している。どうも口が大きめの男性が好みのようだ。
ジャニーズ事務所に感謝と敬意を。
私はジャニーズ事務所に、感謝している。
ステイホームで自由を制限され、イライラしたり、悲しくなったりすることの多い中、娘はずっと笑顔だった。ジャニーズは、テレビだけでなくyoutubeやSNSでも、いつも娘に寄り添ってくれた。親以外でここまで寄り添ってくれたのは、ジャニーズしかいないと思う。
いつだってジャニーズが流れていれば娘は楽しそうだったし、たくさん自分の気持ちをお話してくれた。舞祭組のDVDを握りしめて「千ちゃんに会いたい」と話す娘は、今までに見たことのないほど可愛かった。ジャニーズに子守をお願いして、仕事をしていたことも何度もある。
ステイホームしなくはいけない状況は、いつまで続くかわからない。でも娘はきっと、ずっと豊かだ。彼女の傍には、いつも大好きな推しがいてくれるから。
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ジャニーズ事務所に心からの感謝と敬意を表して。
The Show Must Go On!